8月3日(日)

 6時半頃起きる。昨日一緒に話した1人はもう立ち去っていた。俺もすぐテントを片付けて残った一人に挨拶して別れる。 朝食はバナナと牛乳だ。とても安くて栄養がありそうだ。青森駅からフェリー乗り場までやく2kmぐらいありそうだ。バスもありそうな感じだったが、歩いても1時間ぐらいだろう。結局歩いてそこに行った。ヒッチハイクばっかりじゃ歩かないからな。

 フェリー乗り場につく。フェリー乗り場の敷地内の芝地はキャンパーでいっぱいだ。ここで泊まることもできるんだな。途中で出会ったトラックの運ちゃんが「フェリーに乗るとき、大型トラックの助手席の人はタダだぞ」と、教えてもらっていたので挑戦しようと思ったが、函館まで片道1420円と思ったよりも運賃が安くて、ちょうど船も到着していたので、それはあきらめた。

 船に乗り込むやいなや、シャワールームを見つけてシャワーを浴びる。シャワーや風呂は使えるうちに使わんとな。客席には多くの疲れた顔をしたライダーがいた。デッキに上がって本州を見送る。

 そして函館に到着した。フェリー乗り場から函館市内へは距離があったので函館見物をせずに歩いて札幌行きの国道をめざす。すると前から2人のバックパッカーがやってきた。「こんにちわー(相手)」「こんにちわ」「フェリー乗り場ってここからどれぐらいですか?(相手)」「歩いて30分ぐらいです。」「どこまで行かれるんですか?」「んーヒッチハイクで札幌まで」「僕たちもヒッチハイクなんですよ」「へーそうなんですか、めずらしい。」「この先にヒッチハイクにいい場所がありますよ。それじゃ、頑張ってください。」ヒッチハイカーなんて初めて会ったぞ。それにしても2人でのヒッチハイクは難しいんじゃないのかな。

 少し歩いてダイエーを見つけた。ローソンカードで買いだめのチャンスだ。フランスパンと野菜とコンソメスープの素と何故かパジャマを購入。

 国道でヒッチハイクを開始する。開始すると言っても、道端に座って指を立てるだけだ。

 座った途端に、道端を歩いていたおっちゃんがなにやら一言二言しゃべって居なくなった。確か待ってろとかなんとか・・指を立てながら通りすぎていく車に笑顔を振りまく。でも簡単には止まってくれない。

 数分経ったとき、さっきのおっちゃんが車でやってきた。そして乗せてもらえた。「○○まで行くんやけどそこでいいか?」「○○って知らないんですけど、札幌に行きたいんですよ。その途中までで結構です。」と、30分ぐらい走って山の中のお土産物屋さんの前で降ろしてもらった。「あんまり進んでないな・・・・」

 すぐに次の車を探すため、指立てする。通りすぎる車はみんな俺を見ていく。「さらしものだな」10分過ぎた頃、対向車線からUターンして車がやってきた。

 40歳ぐらいの営業マン風の男性が助手席の荷物を取り除いて、「乗っていき」と言って乗せてもらえた。その人は昔、北海道でヒッチハイクをしたことがあるそうだ。「昔乗せてもらえたから、お礼に乗せてあげないとな。今まで十年以上北海道を仕事で走ったことあるけど、全然居なくて君が初めてだよ。」「えっ、ほんとうにいないんですか?」「車はよく仕事でこうやって使ってるけど初めてだねぇ」「そうなんですか。あんがい北海道の人は優しいからすぐ乗せてくれるからかもしれませんね。」「そうかもね」気付いたのだが、北海道の人って方言が聞かれないな。さすが開拓された土地だな。その人に札幌まで乗せてもらった。実に400kmもある。「札幌に行くまでにいいところたくさんあるのにいきなり行っちゃうのってもったいないよなあ。」なんか記憶に残る言葉だ。

 札幌に午後8時半到着した。さっきの人が「大通り公園なら野宿することができるよ。」と教えてもらったのでそこへ行ってみると、なんと夏祭りの会場になっていた。「これじゃむりじゃー」

 近くの観光案内に旧北海道庁舎の公園があるそうなので行ってみたが、ここも閉館寸前だった。「と、なると北海道大学か札幌駅だな。」札幌駅に到着してうろうろしていると裏口があったので時間潰しに座っていた。すると雨が降り始めた。「こっちが正解だったか」

 隣にあほそうなちゃらちゃらした女の子2人が座って何やらしゃべって「明日はガンジス川だねぇー」と言った。(なんじゃこいつら)と思って無視し続けたら「猿岩石ごっこおわり」と言って去っていった。(俺はごっこでやってんじゃねぇ)。

 人通りも少なくなって、ほんの少し構内を移動したらずらりとバックパックが並んでいる場所があった。(ここでみんなと寝よう)。テントを張るにはあまりにも恥ずかしい場所だったので(いかにも駅の裏口という感じの場所)シュラフだけ取り出した。そして今朝買った野菜とコンソメでスープを作る。

 しばらくして近くでたばこを吹かしていた旅人風の人がテントを張り出した。「おいおい、こんなところで張るのかよ」更に驚いたことに2つも。しかも大人5人は寝れそうな大型のをだ。「こんなのどうするつもりだ?」

 眠くなったのでシュラフをかぶっていると、子供達の声・・・しかも男も女もいて10人ぐらいはいそうだ。どうもこいつらが隣の大型テントで寝るらしい。ガキがわんわん泣く。「○○君がうるさくて眠れなーい」(おまえもうるさいんじゃ)。寝れない・・・・・。

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