第8章 デイトナバイクウィーク編

3月2日

 朝、ツユキさんと別れを告げる。ツユキさんはここからアムトラックに乗ってニューヨークに行って日本に帰るそうだ。また一人になってしまった。グレイハウンドバスに11時に乗る。目的地はデイトナバイクウィークのデイトナビーチだ。

マイアミにあるグレイハウンドバスターミナル。
中央はコーラの自販器だが鋼鉄の盗難防止付き。
このあたりはとても危険そうだ。

 海のそばを走っていく。Cocoaあたりは景色がとてもいい。レジャーボートでみんな遊んでいる。それを見ながらレジャーボートの係留などはそのうち日本でも増えるだろうなと思った。次に日本に帰ってする仕事はレジャーボートかもしれない。

 そんなことを考えたりバスの中で寝たりしてデイトナに着いた。時間は午後6時50分暗いので仕方なく初めてタクシーを使った。バスターミナルからユースホステルまでチップを含めて$4渡した。まあ、安いな。

 チェックインを済ませて街に出る。宿泊料は一泊$16.50だ。周りのモーテルは$100以上が相場だ。すぐ近くのMainStreetは人でごちゃごちゃ、バイククレイジーな奴らばっかりだ。ハーレーウッドという全部木で出来てるようなバイクもいた。エアクリーナーカバーがカボチャになっている。よく動くな。

 マイアミビーチで買ったTシャツを着るのが恥ずかしかったのでハーレーのTシャツを買った。街の中はバイクの爆音であふれている。部屋の窓を開けていたので寝るときは耳栓をしないと眠れない。

メインストリートの脇にこんなにもカスタムしている
バイクが普通に置かれている。

3月3日

 クッキーを食べてビーチに行く。ものすごい遠浅でビーチは車で走ることが出来る。波が高くてサーフィンにはちょうど良さそうだ。2マイルぐらい離れたデイトナハーレーダビットソンまで歩いていった。Tシャツ屋があちこちに露店を出していて結構安い。

 そして近くに図書館を見つけてインターネットで日本の友達に連絡を入れる。疲れてユースで寝る。6時頃また出掛ける。

 安いホットドック屋を発見する。1つ50セントだ。周りは2ドルするのにな。2つ買って晩飯。そしてバイク見物。

 今日は車椅子に乗ったままで運転できるバイクを見つけた。とんでもないバイクが多すぎる。裸同然でセカンドシートに乗ってるおねえちゃんは口笛を吹かれるとお尻をふりふりしてくれる。すげーなーデイトナバイクウィーク来てよかったぁ。

デイトナバイクウィーク写真集へのリンク

3月4日

 オーシャンセンターのハーレーダビットソンの展示を見る。中はとてつもない大きさのハーレーショップという感じ。あらゆる所にハーレーグッズが置いてある。Vツインエンジンのテーブルやチェス台やブーツやウエアーなどなど。1時になるとハーレーファッションショーが始まった。革ジャンやスタッフジャンパーや水着などなど。

 その後近くのテントに行くと職人が革ジャンにカラースプレーで絵を描いたり、カスタムペイントや合成写真や本物の白頭鷲がいたりとなかなかすごい。

 近くのマクドナルドには流線型した飛行機のようなバイクが止めてある。  今夜は猫を頭に載せたおっさんがハーレーに乗っていた。猫にサングラスをかけている。馬鹿ばっかりだな。

 同じ部屋にはオーストラリア人4人とオランダ人1人と俺がいる。オーストラリア人のグイスは俺と同じ年齢だが立派なひげが生えていてとても同じ歳にはみえない。彼らとユースの入り口で飲んでいた。

3月5日

 ビーチで日光浴。ここでも水着のお姉ちゃんを乗せたバイクが多い。ユースに帰って昼寝してパスタを食べる。

 部屋でのんびりしていると窓の外がうるさい(いつもやかましいが)。外を見るとV8バイクBOSSHOSSの軍団がいた。20台以上は並んでいただろうか・・・・・

3月6日

 昨日の晩にロビーで出会った森君とドラッグレースを見に行くことにした。デイトナバイクウィーク期間中はレースやバイクメーカーの数々のイベントが行われている。NEW SMYRNA SPEEDWAY(発音が分からない)では大きなドラッグレースが行われる。そこに行くために8時から出掛ける。

 8時30分にバスに乗り、ダウンタウンのバス乗り換え所で職員に行き方を聞くと7番バスに乗って40番に乗り換えろと言った。

 その通りにして40番バスに乗り運転手にスピードウェイまで行きたいというと、近くまで行っても10マイル(16km)歩かないといけないと言われた。その時点であきらめて帰っていれば良かった・・・

 何とかなるだろうと思い、40番バスに乗りそしてまた43番バスに乗り換えてディスカウントストアのKマートに着いた。その運転手はスピードウェイまで6・7マイルだと言った。少し減ったな。そしてその近くのバーガーキングでWHOOPERを1個食べる。とても美味しい。

 仕方ないので歩き始める。すぐ近くに有名なPUB44とSmyrnaハーレーがあった。それをすぎてしばらくたつとバスの停留所の小さな看板が立っていた。方向が合っているはずなのでバスを待てばスピードウェイまでいけるかもしれない。近くの店の人にバスのスケジュールを聞くとバスは来ないと言う。ターミナルがあってもバスは来ないのかぁ

 歩くこと1時間。ビニールの4ドルのサンダルをぺたぺた音を立てながら歩いているとガソリンスタンドに着いた。ここで給油している車に声をかけて乗せてもらおう。森君と一緒に給油している車にどこに行くか聞いてみたが、なかなか乗せてくれない。

 その時点でもう午後1時。歩いてここからいったら3時間はかかる。ガソリンスタンドに来ていた女の人はあと2マイルだという。「いい加減なことを言うなぁー」アメリカ人にとっては10マイルも2マイルも同じことなんだろうな。

 1時から今度は大通りに出て5分交代で指を立ててヒッチハイク開始。なかなか止まってくれない。俺は暇つぶしに両手をあげてお尻を降りながらやると通っていくバイクの集団にとても受けて、中指立てて返事をしてくれた・・・。森君にそれじゃヒッチハイクできないだろと言われて普通に戻す。でもつまらない・・・。つかれた・・。

 1時40分頃にもう帰ることを決めてもとの道を戻り始める。しばらくたって履いていたビーチサンダルの緒が切れる。1時間歩いてバーガーキングまで近づいてくると雨・・・

 少し濡れてケンタッキーでトイレに行ってる間に雨がやんだ。近くのショッピングセンター(WALMART)でサンダルを買おうと入り口に入ると入り口のドアで左足のかかとを引っかけて怪我をした。つくづく今日はついてない。

 その時点で3時そこで2ドルのサンダルを買う。バスの中で手に入れたバスのスケジュールをみるとWALMARTには3時15分に来るらしい。良かったすぐ来るようだ。

 1時間経過・・・・来ない。どういうわけだ。すぐそばの店の人に聞きここに来ると言ったのに。近くの黒人の女の子に森君が聞いたら大通りじゃないとひろってくれないと言った。ゲッ!もうアメリカ人の言うことは信用できない。来たときに降ろされたKマートまで行った。するとバスが来た。そしてバスはWALMARTに行かずにUターンした。おいおい。タイムスケジュールには書いてあるじゃないかーーーーーーー。どうもローカルバスは使い慣れた人じゃないと扱えないようだ。

 午後5時30分ユースにようやくついた。なんて一日だ。  7時に森君とMainStreetに出て50セントホットドック2本を食べる。ラットバイクやカラフルな車椅子用バイクがあった。ドラッグレースのようなタイヤから煙を上げるバーンナウトした奴もいた。警官がこいつを捕まえてバイクを押収しようとしたら、ブーイングが始まった。本当に「BOOー・BOOー(ブー・ブー)」言ってる。本場のブーイングはすごい。

3月7日

 森君に紹介してもらった大西君と一緒にドラッグレースを見に行った。大西君はカナダでワーキングホリデーをしている。彼の買った相当痛んでいるトランザムで数十マイル離れた空港に迷いながらも到着した。

 そこの空港にはこてこてのドラッグレーサーらしき物は一台もない・・・。どうやらこのイベントは草ドラッグレースで誰でも参加できるアマチュアの大会らしい。ちゃんと順位やタイムとかも出るのかよ?。

 お昼が過ぎてやっと1台のZZR1100が走り始めた。ノーマルにしか見えない。スタートなどでリヤがスリップして暴れだす。そして加速して出ていった。スタートが1番難しそうだ。

 そしてバイクが集まりはじめて2台同時にスタートする。Z2やGSX−Rのロングスイングアームのドラッグ仕様がいた。でもウイリーバーは誰もつけていない。

 ここは入場料さえ払えば自由参加だ。俺達も払ったので出る権利はある。でも車だし、旧式でノーマルのトランザムじゃなぁ。出場しているドラッグ仕様のバイクはみんなここまで自走だ。こいつら普段からこんなの乗ってるのかよ。

 タイムは自分で計ってみると8秒前半ぐらい7秒台はいない。バーンナウトの煙がすごい。でもタイヤがもったいないのか、やってない人も多い。1台だけハーレーがいて、こいつはすげー速かった。後でバイクをみるとニトロ積んでいやがる。V−MAXのおやじもいた。下はジーンズ、2速の終わりぐらいまでタイヤから白煙があがっていた。しかし最高速で負けているので遅かった。

 あーあー、バイク持ってきたいーー。同じバイクばかり走っているのをみているので飽きてくる。この場所は自分のマシンを持ってきて走るところだな。

 帰りにデイトナ・インターナショナル・スピードウェイに寄って日曜日のチケットの値段を聞きに行く。デイトナバイクウィーク最終日のオンロードバイクレースだ。それは最大のイベントらしい。値段は観戦だけなら25ドル。パドックをみるときは15ドル足される。日本では考えられない。でも普段からレースとかみてないので応援しているライダーがいるわけでもなく、しかも貧乏なので買わなかった。

 今日の夜のMainStreetではまたいろんな奴に会うことが出来た。太ったおばちゃんが派手な水着を着ているし。バックファイアーしながら走っていくじいちゃんいるし、ロケットカウルでメッキいっぱい使っている超格好いいハーレーに、普通のどこにでもいそうなおばちゃんが爆音とどろかせながら走るし・・・すごい。

3月8日

 10時から図書館に行ってQV−10(デジタルカメラ)の画像をフロッピーに保存しようとしたけれど、職員に止められてしまった。QV−10は96枚しかメモリーに保存できない。残りの枚数がわずかなので、空きを確保するために泣く泣く消したりしてる状態なのにー。

 正午にデイトナハーレーダビットソンに行く。日本から来る友達村上さんに会うためだ。村上さんとはこっちで電話やインターネットで待ち合わせる場所と時間を決めておいた。

 待っていると肌の白い日本人が2人やってきてすぐそれと分かった。目が合ったとたんに俺と村上さんは大笑い。何で笑ったのかはよく分からないけど、とにかく笑ってた。

 村上さんは夫婦で来ていて、1才ぐらいの晴香ちゃんとの3人で来ている。晴香ちゃんはとても喜んでいる。ディズニーランドにいたときよりもバイクの音を聞いている方が喜ぶらしい。全くこの子の将来はどうなることやら。。。

 そして近くのバーベキューで原始人の肉のようなターキーの足にむさぼりついた。今までの旅をいろいろ話してデイトナハーレーダビトソンの中を見てレンタカーに乗ってビーチに行った。

 ビーチは車で走ることが出来る。その道は歩くより遅いぐらい渋滞していて駐車するところがない。出口に引き返すと何故か出口が封鎖されている。どっから出ればいいんんだよ。その間にも時間は過ぎていく何とかしてそこから脱出して近くのモーテルに車を置いてオーシャンセンターに行く。閉館まで15分しかなかった。本当ならファッションショーとかも見れたはずなのに・・・。

 そこで村上さんと別れる。ふとサングラスが無いことに気づいた。車に置き忘れたのかと思い戻っても無いみたいだ。アメリカは日差しがまぶしいので必需品なのにもったいない。

 近くにカスタムバイクの展示してあるところがあった。入場料が必要だったみたいだが、裏からタダではいることに成功。そこらじゅうに度肝を抜くカスタムバイクがある。ハーレーウッドやトランザムのボンネットにホンダのGLをくっつけたものや、とんでもなく汚いラットバイクなど。

 しばらくたつと、なにやらたくさんの男が集まっている。見るとおおおーというようなモデル3人がバイクに跨って撮影会をしていた。チャンス到来。俺もその集団にまじって写真を撮りまくる。あ。と言う間にフィルムもデジタルカメラの空きも無くなる・・

 それが終わってユースに帰るとルームメイトが踊りに行こうと誘ってきた。断ろうとしたけれどなんだか面白そうなのでついていった。オーストラリア人が4人とオランダ人が2人、めちゃくちゃに明るいというか切れてるとしか思えん。

 中の2人はかわいい子がいたら必ず声をかけている。踊りに行くと言うことはナンパしに行くと言うことのようだ。

 しばらくしてBANKというPUBに行った。その時点で1人のオーストラリア人がはぐれる。中では水着の女性が踊りながら缶ビールを売っている。バーの中は人が多すぎて踊るといってもその場で手や腰を振るのがやっと。エルビスの時代のようなロックを生演奏している。入場料がいらないのもいい。

 グイス(ルームメイトのオーストラリア人)が他のハーレーのグループと話しをしている。アーサー(オーストラリア人)は女の子を口説いている。ハッピーな奴らだ。でも曲もなかなか良くておもしろい。

 BANKから出たときには4人になっていた。午前1時頃になって帰り道で、前からやってきた女の子2人にデビット(グイスの友達)がカエルのかぶり物(PUBで貰える)をあげるととても喜んでお礼のつもりなのか、単に見せたいのか、その娘が着ていたTシャツめくり上げておっぱいを「バァー」って見せてくれた。そして2人は走り去った。これだけは他の仲間も唖然としていた。・・・・・・・

3月9日

 朝グイスらとアドレス交換をする。グイス達は歩いてデイトナスピードウェイに行くらしい。1時間40分かかるそうだ。俺はバスで行くつもりでいた。朝に足がつってとても痛かった。

 MainStreetで買い物をしたあと、バス停に行くとバイク軍団のパレードに出くわした。20分ぐらいバイクだけが走っていた。とにかくものすごい数。

 そのあとバスを待つ。いっこうにバスが来ない。1時間たっても来ない。仕方なく歩いて大きな橋を渡ろうとするとバスが後ろから追い越した。なんてこった。

 トランスファーセンターというバスの乗り換え所で待つ。1時間たっても来ない。日曜は便が少ないらしい。仕方ないのでチラシに日記を書いていた。結局最大のイベントがあるデイトナインターナショナルスピードウェイには行かなかった。

 ユースに帰るとアーサーがいてアドレス交換した。そして昼寝。 グイスらが帰ってきた。楽しかったそうだ。グイスらは今朝チェックアウトしたのでこれで彼らとお別れだ。

 アーサーとMainsStreetをぶらつく。バイクの数がとても少なく活気もない。晩御飯の予定の50セントホットドックの店も閉まっていた。そしてユースに帰り、アーサーとも別れた。


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